ぱっくるです。
薪ストーブを使用する上で必ず実施無ければならないメンテナンス。
それは、煙突掃除です!
前のシーズンは薪ストーブをそんなに使わなかったし、今年は煙突掃除しなくてもいいかな…!?
このように、煙突掃除は毎年やらなくても良いかな?
と考える方もいらっしゃるかとは思います。
家族や薪ストーブの為にも、煙突掃除は毎年必ず実施しましょう!!
煙突掃除と言えば、
- 煙突掃除は面倒…
- 業者に頼むのもお金がかかるし…
- そもそも、掃除方法がわからない
- 屋根に上らなきゃいけないんでしょ?
このように考える方も多いはず。
必要な道具さえ揃えてしまえば、屋根に上らなくても掃除することは可能です。
この記事では
煙突掃除の必要性、掃除に必要な道具、作業手順を写真付きで解説します。
紹介する掃除方法は、屋根に上らず室内から掃除する方法です。
掃除で紹介する薪ストーブは、「スキャンサーム」の「603フロント」です。
目次
煙突内部に付着した煤やタールが原因で正しい排気が行われず、
薪ストーブの燃焼が上手く行われなくなります。
上手く燃焼されないだけならまだ良いのですが、
不完全燃焼のガスが室内に逆流する恐れもあります。
また、煙突内に付着したタールは可燃性の為、
煙道火災の危険性も考えられます。
煙道火災とは
煙突内部に堆積したタールやクレオソート等が原因で、煙突内部で火災が発生する現象。
煙突内部の付着物が1/4以上になると、煙突火災のリスクは非常に高くなります。
煙道火災が発生した場合、煙突内に大量したタール等により激しく燃焼し、消火が困難になります。
最悪の場合火が建物に燃え移り、家屋が全焼する危険性も考えられます。
煙突掃除は基本的に、薪ストーブを稼働していないオフシーズンに行います。
二重構造の煙突であれば、年1回の掃除で十分です。
しかし、
- シングル構造の煙突
- 煙突経路の大半が室外
- 針葉樹の薪を頻繁に使用
- 十分に乾燥していない薪を使用
このような項目に該当する方は、煤やタール等が煙突内に溜まりやすいので注意が必要です。
薪ストーブの燃焼に異常を感じたら、シーズン中でも煙突掃除を実施しましょう!
煙突掃除をしたばっかりなのに、薪ストーブの燃焼がおかしいな…
煙突掃除をしたばかりなのに、薪ストーブの燃焼に異常を感じた際は、
煙突トップに鳥の巣を作られている可能性が有ります。
その際は屋根上に登って、巣を撤去する必要があります。
屋根上に登るのが不安な方は、無理せずに業者に依頼しましょう。
煙突掃除は屋根の上に登って、煙突の上から掃除をするイメージを持つ方が多いかと思います。
実は、煙突掃除は下(室内)から実施することが可能です。
屋根に登ると、落下の危険が伴うので、
初心者の方は特に、下からの煙突掃除をおすすめします。
屋根上から掃除 | 下から掃除 | |
---|---|---|
メリット | ・煙突トップに鳥の巣がある場合撤去が可能 | ・屋根に登らなくて良いので危険が少ない |
デメリット | ・屋根から落下の危険有り ・梯子が必要 ・道具を屋根上に運ぶのも大変 | ・煙突から灰が漏れないように対策が必要 ・煙突トップの鳥の巣撤去が出来ない |
煙突掃除に必要な道具を紹介します。
今回紹介する道具は、下(室内)から掃除する際の道具一覧です。
- 煙突掃除用ブラシ
- 煙突掃除用ロッド(煙突の全長分必要。1m/本)
- ブラシ用アダプタ
- 室内用煙突掃除袋
- 手袋
- マスカー(テープ付き養生用シート)
- 養生テープ
- ゴミ袋
屋根上から掃除をする際は上記の他に、
- 梯子
- 安全帯(腰ベルトではなくフルハーネスが望ましい)
これらの道具が必要となります。
煙突掃除で使用するブラシは、樹脂(ポリプロピレン)製のブラシがおすすめです。
こちらのブラシは、薪ストーブ業者の方も使用しています。
ホームセンター等で販売している鉄製のブラシは、安くて入手しやすいです。
しかし鉄製のブラシは煙突内部を傷つける影響で、煙突の劣化を速めてしまうのでおすすめ出来ません。
樹脂製のブラシは汚れをしっかりと落とすことができ、煙突内部にも傷が付かない優れものです。
煙突を長持ちさせたいのであれば、樹脂製のブラシを使用しましょう!
煙突掃除は下記の手順で実施します。
薪ストーブ周辺の汚れたら困るものはしっかりと養生します。
- 煙突の汚れをかき出す時
- 薪ストーブ本体の部品を外して掃除する時
これらの時に、灰が舞い上がり部屋の中が汚れます。
しっかりと養生せずに、家の中を灰だらけにした事があるよ!
煙突掃除だけであれば、 室内用煙突掃除袋があれば灰の舞い上がりを防ぐ事が出来ます。
しかし、ストーブ本体の部品取り外し時に確実に灰が舞い上がります。
煙突掃除後に家の中の掃除をする羽目になるので、養生はしっかりとしておきましょう。
薪ストーブ本体のすぐ上の煙突を取り外します。
煙突が固着していて、取り外しずらい場合があります。
乱暴に作業すると、煙突表面の塗装が剥がれるので注意。
まずは、煙突を止めているバンドを外します。
バンドのロックを外し、ねじるように曲げると煙突から外すことが出来ます。
次に煙突を外します。
煙突は回しながら抜くことで外れます。
回転方向は、
- 上側:時計回転
- 下側:半時計回転
上下どちらから外しても構いませんが、下からの方が外しやすいかと思います。
煙突は伸縮するので、縮ませた状態で取り外すことが出来ます。
室内用煙突掃除袋の側面の穴に、煙突掃除用ロッドを通します。
ロッドの先端にブラシをセットします。
ブラシを煙突へ入れ、室内用煙突掃除袋を煙突に装着します。
煙突の掃除をしていきます。
室内からの煙突掃除は、下から少しずつ行います。
順序としては下記の手順となります。
- 下から少しずつブラシを上下する。
- 抵抗が少なくなったら徐々にブラシの位置を高くする。
- 次のロッドをジョイントする。
- ブラシが煙突トップに当たったら、ブラシを下げていきジョイントをロッドを外していく。
このように下から少しずつ上へ掃除を進めていきます。
ブラシが煙突内にある際は、ロッドを時計回り(ジョイントが外れる方向)に回さないで下さい。
ブラシやロッド間のジョイントが外れ、ブラシが煙突内から取り出せなくなります。
据付の煙突だけでなく、取り外した煙突の掃除も実施します。
外した煙突の上からブラシを入れ上下させます。
ブラシを上下させる際に煙突が伸縮するので、動かない様に押さえながら掃除します。
最後に外した煙突を装着していきます。
取り外した順番と逆に付けていくので、
- 上側:半時計回転
- 下側:時計回転
この順番に取り付けていくと良いです。
上下逆でも取り付ける事は可能です。
煙突がうまく取り付かない場合は下記事項が考えられます。
- 煙突の合わせ部の汚れ
- 煙突の変形
- 熱による膨張、収縮
煙突がしっかりと装着されてないまま使用すると、
予期せぬ事故や怪我が発生します。
どうしても装着出来ない場合は、販売店等に相談しましょう。
煙突掃除をしている間、取り外した煙突を外に放置しておかないことをお勧めします。
直射日光や外気温などにより煙突が膨張及び縮小し、うまく取りつかなくなる事があります。
熱による膨張・縮小によって煙突が取り付かない事が考えられる際は、取り外した煙突を室内で1日程度放置した後に取り付けると、すんなりと取り付ける事が出来ます。
煙突内にこびりついていた煤等の量を確認します。
取れた煤の量が少なければ少ないほど、上手に薪ストーブを燃焼出来ている証拠です。
取れた灰の量が多いと、何かしらの問題があった事が考えられます。
- 十分に乾燥していない薪を使用していた
- ストーブの吸気の量が少なかった
- 煙突の外に出る前に、排気温度が下がりすぎている
どんぶり並盛1杯以上の煤が取れた際は、薪ストーブの吸排気や使用する薪を見直しましょう。
実際に煙突掃除を行うと、取れた煤の量が少なくて驚きます。
これなら毎年煙突掃除しなくても大丈夫だね!
取れた煤の量が少ないので、
「毎年煙突掃除しなくても良いや」
と思う方も多いはず。
普段使用している家電製品や自動車等も定期的なメンテナンスは必要ですよね?
薪ストーブも同じです。
薪ストーブの最低限のメンテナンスが煙突掃除です。
薪ストーブの本場ドイツでは、チムニースイーパ(煙突掃除屋)は国家資格の職業です。
チムニースイーパの許可が無いと、そのシーズンは薪ストーブを使用する事が出来ません。
日本にはその様な法律は無いですが、無いからと言って煙突掃除をしなくて良い訳ではありません。
薪ストーブの為にも自分や家族の為にも、
煙突掃除は毎年必ず行いましょう!